求人票を見ると「想定年収◯万円」と記載されていますが、実際に毎月受け取れる金額（手取り）はこれより少なくなります。社会保険料や税金が引かれるため、年収500万円でも手取りはおよそ380万円前後になることが一般的です。つまり生活に直結するのは「年収」ではなく「手取り」なのです。

転職で年収が上がったのに、手取りはほとんど変わらなかった…ということも少なくありません。理由は税率や社会保険料の上昇です。例えば480万円から520万円に年収アップした場合、増加分40万円すべてが手取りになるわけではなく、実際に使える金額は15〜20万円程度しか増えないことがあります。

※福利厚生も実質的な手取りに影響する

手取りを考える際は、給与だけでなく福利厚生も重要です。住宅手当や家族手当、交通費、退職金制度などがある会社では、数字以上に生活が安定します。特に医療機器業界では、外資系は成果に応じたインセンティブが厚く、内資系は住宅補助や手当が手堅いなど、会社ごとに特徴があります。同じ年収でも実質的な「手取り感」は大きく変わるのです。

転職活動では「年収アップ」という数字だけに注目しがちですが、大切なのは実際に生活に直結する「手取り」です。さらに福利厚生まで含めて比較することで、自分に合った転職先を選びやすくなります。求人票を見るときは「年収」だけでなく「手取り」と「制度」まで意識してみましょう。