「人の役に立ちたい」「安定している業界に行きたい」——そんな想いから、医療業界に興味を持つ方は少なくありません。特に異業種からの転職を考えるとき、「医療業界ってなんとなく将来性がありそう」というイメージが後押しすることもあるでしょう。

ですが、現実問題として「興味があります！」という気持ちだけで飛び込むには、少々ハードルが高い業界でもあります。今回は、医療業界未経験の方がまず知っておくべき3つの現実をお伝えします。転職活動を始める前に、ぜひ一度目を通してみてください。

医療機器にしても、製薬にしても、扱う製品には専門用語や法規制がついてまわります。「勉強すれば大丈夫」と言う方も多いですが、実際には製品マニュアルを読み込んだり、学会や勉強会に参加したりと、日々の学びが不可欠です。

特に営業職では、医師や看護師と専門的な会話をする場面も出てきます。「医療のことはわかりませんが…」というスタンスでは、信頼を得るのは難しいかもしれません。

「医療＝公共性が高い＝穏やかな職場環境」と思われがちですが、医療機器業界は意外と成果主義の傾向が強いです。特に営業職では、ノルマや売上目標がしっかり設定されており、数字で評価される文化があります。

もちろん「患者さんのため」という使命感は根底にありますが、それだけではやっていけないのも事実。ビジネスとしての視点が必要不可欠です。

未経験者歓迎の求人は確かに存在しますが、その多くは「20代限定」「営業経験が必須」「理系出身者歓迎」など、一定の条件付きであることが少なくありません。

つまり、誰でもウェルカムというわけではなく、「これまでのキャリアのどこを医療業界に活かせるか」を明確に伝える必要があります。「未経験OK」を鵜呑みにせず、自分の強みを冷静に棚卸しすることが重要です。

医療業界は社会貢献性が高く、やりがいのあるフィールドです。しかしその分、求められるレベルや姿勢も高いのが現実です。「興味があります！」という気持ちは出発点としては大切ですが、それをどう行動に変えていくかが問われます。

未経験だからこそ、事前に知っておきたい現実を理解しておくことが、転職成功の第一歩になります。情報収集を丁寧に行い、自分に合った道をじっくり探していきましょう。