医療機器業界は専門性が高く、未経験からの転職にはハードルがあると言われがちです。しかし実際には、代理店での営業職からキャリアをスタートする方も多く、そこからステップアップしていくことは十分に可能です。今回は、未経験から医療機器営業の代理店に入った場合、どのようなキャリアパスが考えられるのかについてご紹介します。

代理店では、担当エリアの病院やクリニックを訪問し、製品の提案や情報提供を行います。
この段階では、

・医療現場で求められる製品知識

・ドクターや医療スタッフとの接し方

・他社との競合提案の進め方
といった「現場感覚」を身につけることが最大の目的です。

また、特定の診療科に強い代理店（整形外科、循環器など）であれば、その領域に特化した知識も蓄積され、将来のキャリア形成に大きな武器になります。

代理店で実績を積むと、次に目指す先として多いのが「メーカーの直販営業部門」です。
メーカー営業は、より高度な提案活動やマーケティング要素を含んだ動きが求められるため、代理店での経験が評価されやすいポジションです。

特に評価されるポイントは、

・製品の導入実績

・KOL（キーオピニオンリーダー）との関係構築

・地域医療への貢献度

直販への転職は、年収アップにもつながることが多く、キャリアアップの代表的な一手です。

医療機器営業の経験は、他職種への扉も開きます。たとえば、

・マーケティング部門（学会対応、販促企画など）

・教育、トレーニング部門（営業や代理店向けの製品研修）

・薬事、品質保証部門（製品の承認申請や不具合対応）

特に外資系メーカーでは、営業出身者が社内異動でこれらの部門へステップアップするケースが多く見られます。

未経験から医療機器営業の代理店に入るというのは、業界への「入り口」として非常に現実的な選択肢です。そこから経験を積んでいくことで、メーカー営業や他職種へのステップアップも見えてきます。最初の一歩が不安な方も、「現場での経験」はどこでも評価される資産になるということをぜひ覚えておいてください。