ここ数年、医療機器業界で「未経験OK」の求人がじわじわと増えているのをご存じでしょうか？
従来は経験者優遇、専門性重視が当たり前だったこの業界で、なぜ今“未経験者歓迎”が広がっているのか。
その背景には、AIやデジタル技術の進化をはじめとした、業界構造そのものの変化があります。

今回は、医療機器業界の未来予測を踏まえながら、「なぜ今、未経験OKなのか？」を3つのポイントに分けてお伝えします。

AIによるデータ解析、CRMの高度化、リモート営業ツールの普及などにより、「優秀な営業＝人脈と経験」だけではなくなってきています。
むしろ、ITリテラシーやデジタルツールへの適応力が重要視される場面が増え、異業種からの転職者が即戦力として活躍しやすくなっています。

とくにAIを活用したマーケティングや営業支援システムの導入により、経験よりも“新しいやり方”に柔軟な人材が求められるようになっています。

医療機器は年々高度化し、製品を理解・説明するためのスキルも専門化しています。
その結果、企業の中で「テクニカルサポート」「アプリケーションスペシャリスト」などが営業と分業されるケースが増えています。

つまり、営業職が製品技術の細部まで熟知している必要が薄れ、「顧客対応スキル」や「信頼関係構築力」がより重視されるように。
こうした変化が、営業経験はあるけれど業界未経験という方の参入を後押ししています。

慢性的な人手不足に悩む医療機器業界では、「即戦力が見つからない」ことが前提になりつつあります。
その結果、“育てる前提で採る”という姿勢が広まり、未経験者を歓迎する企業が増えています。

さらに、働き方の多様化や転職回数の一般化により、企業側も「異業種出身者をうまく活かす」柔軟性を持ち始めています。
AI時代の変化に合わせて、人材側にも「学び直し」や「キャリアチェンジ」が求められる時代となり、両者のニーズが一致しやすくなっているのです。

AIやデジタル技術が進化する今、医療機器業界でも“経験”より“適応力”が重視される時代になっています。
もちろん、専門性が不要になったわけではありませんが、「未経験＝戦力外」という考え方は、確実に変わりつつあります。

業界の変化をチャンスと捉え、異業種からのキャリアチェンジに挑戦する人が、これからもっと増えていくでしょう。
今後も、こうした「変化の本質」を押さえた転職支援が重要になっていくと感じています。